社会福祉士国家試験は、出題範囲が広く、例年の合格率は30%程度と、比較的難易度が高い資格です。
合格には、300時間程度の勉強が必要と言われており、計画的な学習が求められます。
しかし、社会福祉士国家試験を受験する方の多くは、職場や学校に在籍しているなど、試験勉強以外の事柄が忙しく、勉強時間の確保に苦労している方が多いのではないでしょうか。
忙しく過ごしていたら、試験までもうあまり時間が無い…
勉強が全然進んでいない、試験に間に合わないかもしれない…
と心配しながらこの記事を読んでいる方もいるかもしれません。
不安になっている皆さん、大丈夫です!
諦めないで下さい!
効率良く勉強すれば、限られた時間や短期間の勉強でも、合格出来る可能性は十分にあります。
私も社会福祉士国家試験を受験したことがありますが、本格的に勉強を始めたのは、試験の約3ヶ月前でした。
もちろん楽に合格できたわけではありません。
3ヶ月間、隙間時間や余暇の時間をほとんど勉強に費やし、必死に勉強して、無事に一発合格できました!
この記事では、
社会福祉士国家試験の幅広い試験範囲を
効率良く勉強する方法が知りたい!
と思っている方に対して、
実際に約3カ月の勉強で一発合格した筆者が、自身の体験から考える、社会福祉士国家試験に向けて、効率良く勉強するための6つのポイントを解説します。
はじめに結論を申し上げると、ポイントは以下の6つです。
- 過去問題を中心に勉強する
- 過去問題を解いたら、正解でも不正解でも必ず全て復習する
- 過去問題の解説は熟読!テキストは、沢山書き込んで自分専用に作り上げる
- 隙間時間を無駄にしない!テキストを分割して常に持ち歩き、知識を覚える
- 得意を伸ばすより、苦手を減らす勉強をする
- 福祉関連のニュースをチェックしておく
これらのポイントを押さえれば、効率良く試験勉強に取り組み、合格を目指せます。
興味を持った方は、ぜひ最後までご覧ください。
社会福祉士国家試験の概要
はじめに、社会福祉士とはどんな資格なのか、また、国家試験の概要について簡単に説明します。
どのような資格試験なのかを知ることで、効率の良い勉強法を理解しやすくなります。
社会福祉士とは
https://www.jacsw.or.jp/citizens/cswtoha/社会福祉士は、昭和62年5月の第108回国会において制定された 「社会福祉士及び介護福祉士法」で位置づけられた、社会福祉業務に携わる人の国家資格です。
「社会福祉士及び介護福祉士法」には、社会福祉士とは「専門的知識及び技術をもって、身体上もしくは精神上の障害があること、または環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言、指導、福祉サービスを提供する者又は医師その他の保健医療サービスを提供する者その他の関係者との連携及び調整その他の援助を行うことを業とする者」とされています。
社会福祉士になる為には、一定の受験資格を持つ人が、国家試験を受験して合格し、所定の登録を受けることで、資格を取得できます。
社会福祉士国家試験は、厚生労働大臣の指定を受けた指定試験機関・指定登録機関である公益財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する、社会福祉士として必要な知識や技能を問う筆記試験です。
試験概要
試験概要は、以下の通りです。
試験日 | 毎年2月上旬 |
受験申込 受付期間 | 毎年9月上旬~10月上旬 |
試験地 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県(24箇所) |
受験料 | 19,370円(社会福祉士のみを受験する場合) |
試験時間 | 240分 |
問題数 | 150問 |
問題の形式 | 五肢択一を基本とする多肢選択形式 |
回答方法 | 筆記(マークシート) |
試験科目 | ① 人体の構造と機能及び疾病 ② 心理学理論と心理的支援 ③ 社会理論と社会システム ④ 現代社会と福祉 ⑤ 地域福祉の理論と方法 ⑥ 福祉行財政と福祉計画 ⑦ 社会保障 ⑧ 障害者に対する支援と障害者自立支援制度 ⑨ 低所得者に対する支援と生活保護制度 ⑩ 保健医療サービス ⑪ 権利擁護と成年後見制度 ⑫ 社会調査の基礎 ⑬ 相談援助の基盤と専門職 ⑭ 相談援助の理論と方法 ⑮ 福祉サービスの組織と経営 ⑯ 高齢者に対する支援と介護保険制度 ⑰ 児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度 ⑱ 就労支援サービス、更生保護制度 |
合格基準 | 次の2つの条件を満たした場合に合格 1.問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点 2.1を満たした上で、試験科目の18科目群すべてにおいて得点がある ※ 配点は、1問1点の150点満点 ※試験科目の一部免除を受けている場合は、合格基準が上記と異なる。 |
合格発表 | 3月上旬 |
社会福祉士国家試験は、誰でも自由に受験できる試験ではありません。
受験するためには、受験資格を満たしている必要があります。
受験資格については、公益財団法人社会福祉振興・試験センターHP内にある、社会福祉士国家試験の試験概要のページ( https://www.sssc.or.jp/shakai/gaiyou.html )に記載があります。
自分が資格を満たしているか分からない方は、試験勉強を始める前に必ず確認しましょう。
試験勉強に必要なもの
次に、後に説明する、試験勉強のポイントに沿って勉強するために、最低限必要な勉強道具や参考書について説明します。
試験勉強を始める際に準備が必要なものは、以下の通りです。
- 過去問題集とテキスト
- 筆記用具(鉛筆、消しゴム、色ペン)
では、順番に説明していきます。
過去問題集とテキスト
絶対に必要なのは、過去問題集とテキストです。
これが無いと勉強出来ないと言っても過言ではありませんので、最初に購入しましょう。
過去問題集とテキストは、様々な出版社から販売されています。
もし、どれを購入するか悩んだら、解説が丁寧な過去問題集を選んだ後に、その問題集に対応したテキストをセットで購入することがおすすめです。
問題集とテキストを同じ出版社で揃えると、過去問題の解説とテキストの言葉遣いが同じ場合が多く、理解しやすくなります。
また、過去問題の出題部分をテキストで詳しく確認したい時にも、探しやすく工夫されている場合が多いので、復習もしやすくなります。
ちなみに私自身は、中央法規出版の過去問題集とテキストを使用していました。
中央法規出版は、当時私が通っていた大学の社会福祉士養成課程で指定されていた、教科書を出版している会社でした。
そのため、「なんとなく信頼できそう」「分かりやすそう」と思って選んだのですが、実際の使い心地もとても良かったのでおすすめします。
過去問題集の解説がとても長く丁寧で、テキストも分かりやすくまとまっており、他に追加で参考書を買わなくても、この2冊だけで勉強できました。
過去問題集やテキストは、試験日まで毎日のように使用するものなので、書店で実際に複数の商品を見比べ、皆さんが使いやすそうだと思うものを購入しましょう。
筆記用具(鉛筆、消しゴム、色ペン)
試験勉強では、筆記用具も欠かせません。
試験当日に使用するものと同じものを普段から使用していると、当日に戸惑いなく使えるのでおすすめです。
使いやすいものを持っていなければ、試験勉強を始める際に購入しておきましょう。
具体的には、
- 鉛筆(HB以上がおすすめ)
- 消しゴム
- 色ペン(2色くらい)
などは、最低限用意することをおすすめします。
鉛筆と消しゴムは、過去問題集を解く時に使用します。
鉛筆に関して、シャープペンシルではダメなの?と思った方がいるかもしれません。
個人的には鉛筆の方がおすすめです。
なぜなら、マークシートを素早く塗りつぶすには、ある程度芯の太さがある方が良いからです。
私の感覚では、削りたてではなく、少し芯が減って太くなった鉛筆が、一番マークシートを塗りやすいと思っています。
そのため、削りたての鉛筆よりも更に細いシャープペンシルは、鉛筆よりも塗りつぶす時間が多くかかってしまい、マークシート形式の試験には向いていません。
試験当日に解答したマークシートは、機械で読み取られるため、しっかり読み取られるように、HB以上の濃さの鉛筆が最適です。
どうしてもシャープペンシルの方がやりやすいという方は、普通のシャープペンシルではなく、マークシート用の太い芯のものが販売されているので、そちらを用意すると良いでしょう。
色ペンは、過去問題を解いた後、復習の際に使用します。
テキストを使って復習しながら、大事だと思った部分に線を引いたり、追加の知識を書き込んだりする時に、色ペンがあると分かりやすくなります。
私の場合は、テキストに線を引くときはピンクの蛍光ペン、書き込む時は青のボールペンを使っていました。
何色もあると、何が大事なのか分かりづらくなるので、2、3色の範囲で使いやすい色ペンを準備しておくと役に立ちます。
社会福祉士国家試験における効率よく勉強するポイント
ここからは、具体的な勉強のポイントを説明します。
過去問題を中心に勉強する
社会福祉士の試験勉強では、過去問題集を中心に勉強しましょう。
勉強時間のほとんどは、過去問題集を解いて採点する時間と、丁寧に復習する時間に使うことをおすすめします。
その理由としては、以下の4点が挙げられます。
- 試験問題に慣れることができる
- 頻出分野を理解し、効率良く学習できる
- 試験範囲を満遍なく学習できる
- 自分の得意科目と苦手科目が分かる
では、それぞれ詳しく説明します。
試験問題に慣れることができる
過去問題集を中心に学習していると、本番と同じ形式の問題を繰り返し解くことになり、試験問題に慣れることができます。
その結果、問題文や選択肢の決まった言い回しや特徴が分かるようになります。
例えば、問題文に関して、選択肢を選ぶ指示の仕方は、以下のような形がほとんどです。
- 最も適切なものを1つ選びなさい
- 正しいものを1つ選びなさい
- 誤っているものを1つ選びなさい
時々、選択肢を2つ選ぶ問題などの例外もありますが、上記の3パターンがほとんどです。
そして、上記の3パターンの問題文に対して、私が意識していたことは、次のような内容でした。
「最も適切なものを1つ選びなさい」の場合
- 事例問題に多い。
- 正解選択肢以外にも、ケースによっては正解になる紛らわしい選択肢がある。
- 全ての選択肢をしっかり読み、出題された事例に一番適している選択肢を選ぶ必要がある。
「正しいものを1つ選びなさい」「誤っているものを1つ選びなさい」の場合
- 正しいと誤りのどちらを選ぶのか、よく確認する。
- 正解選択肢は1つしかないので、正解選択肢を見つけたら、その他の選択肢は、確認のために軽く流し読みで良い。
このような対応策は、過去問題を沢山解き、試験問題を見慣れたことで、徐々に分かってきたことです。
上記では問題文に関して述べましたが、私が試験勉強していた頃は、選択肢についても「こんな言い回しは不正解選択肢の場合が多い」という特徴があり、友人同士で共有していました。
問題文や選択肢のパターンが分かると、「今回はこのパターンか」と冷静に取り組めるようになり、解くスピードが早くなります。
そのうえ、問題文や選択肢の意味を読み間違えて不正解になることを減らせる利点もあります。
頻出分野を理解し、効率良く学習できる
社会福祉士の試験範囲はとても広いので、よく出題される部分とそうでない部分があります。
過去問題を3回分ほど解くと、毎回出題されている部分など、大事な部分が分かってきます。
すると、毎回出題されているテーマを入念に勉強し、そうでない部分は深入りし過ぎないなど、効率良く学習しやすくなります。
試験範囲を満遍なく学習できる
社会福祉士試験は、出題される全ての試験科目で得点がなければ合格できません。
そのため、どこか一部の分野のみに偏った勉強はせずに、広い試験範囲を満遍なく学習する必要があります。
過去問題を中心に勉強していれば、毎回全科目を勉強することになり、試験範囲全体をバランス良く学習できます。
得意と苦手を把握し、効果的な学習ができる
過去問題を解いて採点した時に、科目ごとの点数を見れば、得意科目と苦手科目が分かります。
得意と苦手が分かることで、得意科目より苦手科目を多く学習するなど、少ない学習時間でも、効果的な学習がしやすくなります。
このように、過去問題集を解くことは、効率的で効果的な試験対策をする上で欠かせません。
絶対に解きましょう。
過去問題を解いたら、正解でも不正解でも必ず全て復習する
過去問題集を解いたら、必ず復習しましょう。
復習により、理解できていない部分を把握し、それを補う学習をしていくことで、点数を上げることができます。
復習する時には、全ての問題を復習しましょう。
「正解した問題も復習するの?」と思った方がおられるかもしれません。
正解でも不正解でも、全ての問題を復習することをおすすめします!
なぜなら、正解しても、その問題の全ての選択肢を正しく理解できているとは限らないからです。
社会福祉士の試験は、複数の選択肢から問題文に対する正答を選ぶ、多肢選択形式になっています。
一番多いのは、5つの選択肢の中から、正解選択肢を1つ選ぶ形式です。
多肢選択形式の問題では、正解選択肢が分かれば、他の選択肢の意味が全く分からなくても正解できる場合があります。
全ての選択肢の意味を理解した上で、正解した場合は良いのです。
しかし、例え正解しても、
まぐれ正解を見逃さず、理解度を正しく把握して勉強するためにも、全ての問題を復習しましょう。
過去問の解説は熟読!テキストは、沢山書き込んで自分専用に作り上げる
ここからは、実際に私が行っていた、解説やテキストを使った具体的な復習の方法を説明します。
「復習って具体的には何をすればいいの?」
と思っている方は、ぜひ読んで真似してみてください。
過去問題集を使って、問題を解き、復習するまでの手順は、以下の4ステップで行っていました。
- STEP1問題を解く
- 試験時間を計りながら、過去問題1回分をマークシートに解答する。
- どのように考えて解答したのか、記号などで記録しておくと、復習の時に便利。
- STEP2採点する
- 問題を全て解き終わったら採点する。
- 点数が低い科目をチェックし、苦手科目を把握する。
- STEP3問題集の解説を読み、選択肢の理解度を確認する
- 1問ずつ、解説を読みながら復習していく。
- 不正解選択肢は、どの部分の記述が誤りなのか、どう治せば正しい文章になるのか、確かめながら解説を読む。
- 解答時に付けた記号を見て、自分の解釈が合っていたのかについても確認する。解釈が違っていた部分は、その場で正しく覚える。
- STEP4それぞれの選択肢に出題された内容をテキストで調べて読む
- 出題部分をテキストでも調べて読み、知識をインプットする。
STEP3で解説を読んで得た知識なども、この時点でテキストにまとめて書き込んでおくと、いつでも見直せて便利。
解説とテキストを読んで十分に復習ができたら、次の問題に進み、最後の問題までSTEP3とSTEP4を繰り返し行い、過去問題1回分の全問題を復習する。
- 出題部分をテキストでも調べて読み、知識をインプットする。
では、それぞれのSTEPを詳しく説明していきます。
STEP1:問題を解く
まずは問題を解きます。
どんな風に解いても自由ですが、私がやっていた解き方を紹介します。
過去問題を解く時は、試験当日と同じように、試験時間を計りながら、過去問題1回分をマークシートに解答していました。
この方法だと、長時間の試験に慣れることができ、時間配分の練習にもなります。
そして、問題を解いている最中は、線や記号を付けながら解いていました。
例えば、正しいものを1つ選びなさいという指示の問題なら、選択肢の中で誤りだと思う部分には線を引いて✕、分からない・自信がない部分には?、最終的に選んだ正解選択肢の根拠になる部分には◯を付けていました。
また、全ての選択肢が分からなくて適当に答えた問題や、後でしっかり見直したい問題には、問題番号に△を付けていました。
記号を付けていた目的は、復習で後から見返した時に、どのように考えて選択肢を選んだのか、一目で分かる状態にするためです。
正解したとしても、?ばかり付いていれば、まぐれで正解したことが分かりますし、復習の際に解説と見比べて、自分が正しく選択肢を理解していたかどうか、分かりやすくなります。
記号を付けながら問題を解く方法は、試験当日にも役立ちます。
記号を付けながら解いていれば、試験時間が余った時、問題番号に△が付いている問題や選択肢に?が多い問題を見直せば良いですし、マークミスもすぐに分かります。
さらに、試験後の自己採点もしやすくなりますので、とてもおすすめの方法です。
STEP2:採点する
問題を解き終わったら、採点します。
そして、総合点と科目ごとの点数を出しましょう。
点数を見る時には、点数が高い科目より点数が低い科目に注目します。
社会福祉士の試験は、0点の科目があると、他の点数に関係なく不合格になります。
したがって、科目ごとの点数を見て、自分の苦手科目を把握することが大切です。
全問不正解や1問しか当たらなかった科目があれば、その科目は優先的に勉強が必要な要注意科目と認識し、しっかりと対策しましょう。
STEP3:問題集の解説を読み、選択肢の理解度を確認する
採点したら、最初の問題に戻り、1問ずつ復習していきます。
まずは、1問分の解説をひと通り読んで、その問題の内容を大まかに理解しましょう。
その後に、選択肢と解説を見比べながら、今度は丁寧に読んでいきます。
不正解選択肢は、どの部分の記述が誤りなのか、どう治せば正しい文章になるのか、選択肢と解説を見比べ、頭を働かせながら読み進めます。
また、解答時に自分が付けた記号を見て、自分の解釈が合っていたのかについても確認しましょう。
もし、自分の解釈が間違っていたら、どこをどう間違って解釈していたのか、しっかり確認し、その場で正しい知識を覚えるように心がけてください。
?を付けた分からなかった用語なども、解説に書いてあれば、よく読んで覚えましょう。
STEP4:それぞれの選択肢に出題された内容をテキストで調べて読む。
問題集の解説をしっかり読んだら、次はテキストで出題部分をさらに調べます。
選択肢の文章の中にある専門用語をテキストの索引で探すと、どこに載っているか素早く探し出せます。
ページを見つけたら、用語が載っている部分だけではなく、その用語が出てくる章や節全体を読みましょう。
少し広い範囲を読むことで、その用語の関連知識も一緒に覚えられます。
また、読みながら、テキストに線を引いたり書き込んだりすることもおすすめです。
私は、出題されて分からなかった部分に線を引き、解説には書いてあるけれどテキストには載っていない補足情報があれば、それを書き込んでいました。
その他、疑問に思い調べたことや苦手な部分をまとめた内容、試験対策講座で講師の方に聞いた内容なども、テキストに書き込んだり、付箋に書いたものを貼ったりしていました。
別でまとめノートを作らず、試験勉強で得た知識は全てテキストに集めることで、ノートや資料などをあちらこちら見る必要が無くなります。
いつでも知識を確認したくなったら、テキストだけを見れば良い状態になるのです。
沢山書き込みをして、自分専用のテキストを作ると、いつでも知識を確認しやすくなるのでおすすめです。
上記の手順に沿って、テキストを熟読し、疑問点なども全て調べて理解できたら、やっと1問分の復習は完了です。
次の問題に進み、STEP3とSTEP4を繰り返して、過去問題1回分の全ての問題を復習します。
これで、過去問題1回分の勉強が終了です。
大変そうだな、面倒だなと思った方もいるかもしれません。
実際、やってみると、面倒で大変です。
私が勉強していた時は、1問の復習に30分以上かかることも珍しくありませんでした。
そのため、過去問題1回分の復習は、2~3週間ほどかけて苦労してやっていました。
大変ですが、時間をかけて丁寧に復習すれば、過去問題1回分を取り組んだだけでも試験範囲全体の相当な量の知識を勉強できます。
「短期間で合格したい」「勉強時間があまり取れない」という方は、様々な教材に手を出すよりも、過去問題集のみを徹底的に取り組む方が、試験範囲全体をバランス良く対策できるのではないかと思います。
私は、STEP1〜STEP4のサイクルを繰り返し、3年分の過去問題に取り組んだ結果、合格できました。
模試の受験や直前の試験対策講座の受講はしたので、そこで貰った資料や問題も試験勉強に使用しましたが、市販の参考書は、セットで買った過去問題集とテキスト以外購入していません。
試験勉強のほとんどは、これまで説明してきた方法で、過去問題集をひたすら取り組みました。
面倒に感じるかもしませんが、実際に私が短期間の勉強で合格できた方法ですので、STEP1〜STEP4の方法で過去問題集に取り組むことは、とてもおすすめです。
隙間時間を無駄にしない!テキストを分割して常に持ち歩き、知識を覚える
短期間での試験勉強では、隙間時間も無駄にできません。
隙間時間には、過去問題集と一緒に買ったテキストを読んで、知識をインプットする時間にしましょう。
過去問題集を使った問題演習でも、復習の時にテキストを読んで知識のインプットはしますが、それだけでは過去問題に出題されていない部分は、勉強していない部分が残ってしまいます。
過去問題に出ていない部分は、隙間時間にテキストを読んで覚えましょう。
私は常にテキストを持ち歩き、5分でも10分でも、少しでも時間があれば、テキストを読んでいました。
当時私が使っていたテキストは、分厚くて重く、そのまま持ち歩くのは大変だったので、背表紙を切り、科目毎に分割して持ち歩いていました。
分割すると、薄く軽くなって、気軽に持ち歩けるようになるのでおすすめです。
- まとまった時間が取れる時 → 問題を解いて徹底的に復習する。
- 隙間時間 → 問題演習で触れていない部分をテキストで覚える。
このように、時間の使い方を決めておくと、何をしようか迷って時間を無駄にすることもないので良いですね。
得意を伸ばすより、苦手を減らす勉強をする
ある程度勉強が進んでくると、得意な科目と苦手な科目が分かってくると思います。
得意と苦手が分かったなら、得意科目の勉強は控えめにし、苦手科目に力を入れましょう。
社会福祉士の試験では、合計点に関わらず、0点の科目があると不合格になってしまいます。
0点の科目が一つでもあれば、他の科目が満点でも不合格になるのです。
したがって、0点の科目を作らないように、苦手を減らす勉強が大切です。
私は、試験の3ヶ月前から勉強を始めて、勉強できる時間が少なかったため、2回分の過去問題を解いた時点で、半分以上不正解の科目を苦手科目とし、優先的に学習していました。
苦手科目については、隙間時間に何度もテキストを読んだり、過去問題を2周取り組み、繰り返し接することで知識を定着させるよう意識しました。
一方で、試験勉強の始めのうちから、安定して半分以上正解できていた得意科目は、テキストも過去問題も1周ずつ取り組んだだけの科目もありました。
試験範囲全てを同じようにしっかり勉強できることが理想ですが、試験勉強に充てられる時間を考えた上で、優先順位を付けて勉強することも必要です。
勉強しているうちに、得意だと思っていた科目で点数が取れなくなったり、反対に苦手科目で全問正解できるようになったり、得意科目と苦手科目が変化することもあります。
問題を解く度に、どこが理解できていないのかを確実に把握し、理解できていない部分を地道に消していく勉強が大切です。
福祉関連のニュースをチェックしておく
試験勉強を始めたら、前年の試験日から現在までに起こった福祉関連のニュースは、日頃から確認しておきましょう。
なぜなら、法改正や制度の変化などがあれば、試験で問われる可能性があるからです。
時事問題は、テキストと過去問題集のみでは対策が不十分な場合が多いので、自分で探してチェックしておきましょう。
ニュースを確認する方法は、以下のようなものがあります。
- 自宅で購読している新聞を読む
- ニュースサイトで検索する
- 福祉新聞を読む
特におすすめなのは、福祉新聞です。
最初から福祉関連の情報のみがまとめられているため、確認しやすく便利です。
購読は有料ですが、私の場合は、在籍していた大学の図書館や自宅近くの図書館に福祉新聞が置かれていたので、時々図書館に勉強に行き、無料で読んでいました。
有料で購読したくない方は、近くの図書館に福祉新聞が置いていないか、確かめてみると良いかもしれません。
福祉新聞を読める環境ではなく、購読することにも抵抗がある方は、福祉新聞のWebサイトである「福祉新聞Web」(https://fukushishimbun.com/)がおすすめです。
紙の福祉新聞の方が情報量は多いですが、Webサイトは無料で読めます。
また、サイト内で検索すれば、簡単に過去のニュースを確認できることもメリットです。
過去のニュースを確認することは、社会福祉士試験の対策において大切です。
なぜなら、試験問題の作成には、何ヶ月間か、ある程度の長い時間がかけられていると考えられ、試験日直前の出来事よりは、少し前に起きた出来事の方が出題されやすいからです。
過去の情報については、福祉新聞のWebサイトやニュースサイトなどを上手く活用し、時事問題を対策しましょう。
まとめ
この記事では、限られた時間や短期間の勉強でも、社会福祉士国家試験に合格したいという方に向けて、効率良く勉強するためのポイントを解説しました。
提案したポイントは、以下の6つでした。
- 過去問題を中心に勉強する
- 過去問題を解いたら、正解でも不正解でも必ず全て復習する
- 過去問題の解説は熟読!テキストは、沢山書き込んで自分専用に作り上げる
- 隙間時間を無駄にしない!テキストを分割して常に持ち歩き、知識を覚える
- 得意を伸ばすより、苦手を減らす勉強をする
- 福祉関連のニュースをチェックしておく
長い文章で沢山説明しましたが、結局のところ、一番申し上げたいことは、過去問題集とテキストをセットで購入し、それらを徹底的に取り組むことがおすすめということです。
問題の解き方や復習の仕方についても書きましたが、既に自分なりの勉強法がある方は、自分の方法で取り組んで良いと思います。
もちろんどう勉強すれば良いか分からないという方は、この記事で説明した方法で取り組むこともおすすめです。
どんなやり方でも、大まかに内容を覚えてしまう程度を目標に、過去問題集とテキストを徹底的に取り組めば、合格できる可能性は高くなります。
社会福祉を学んでいる学生であれば、私でも合格できたので、3ヶ月程度の試験勉強期間でも合格は可能でしょう。
しかしながら、正直なところ、3ヶ月の勉強期間での受験はおすすめしません。
可能であれば、半年以上前から、計画的に無理なく勉強することをおすすめします。
日常的に試験範囲の知識に触れる方ではなく、一から試験勉強を始める方であれば、もっと余裕を持って勉強を始める方が良いかもしれません。
理由は、私自身が経験してみて、心身共にとても辛く、また、合格後にもっと丁寧に勉強すれば良かったと感じたからです。
勉強期間が短いと、1日の勉強時間を長く確保しなければ間に合いません。
そうすると、精神的にも肉体的にも負担がとても大きくなります。
また、私は大学卒業後に福祉業界に就職しましたが、入社した頃には勉強したはずの知識が曖昧になっていました。
試験からそこまで時間が経っていないのに、短期間での詰め込み学習ではすぐに忘れてしまうのかもしれません。
もっと丁寧に勉強すれば良かったと後悔しました。
試験を受ける方の中には、合格後に社会福祉士の資格を用いて仕事をしようと考えている方も多いと思います。
その場合は、短期間で慌てて知識を詰め込むよりも、ひとつひとつ丁寧に理解しながら勉強した方が、合格した後にも役に立つと思います。
必要な勉強期間は人それぞれです。
試験の受験を決めたら、速やかに参考書を購入し、余裕を持って勉強を始めることをおすすめします。
ここまで、長い記事を読んで下さり、ありがとうございました。
この記事を読んで下さった皆さんが、社会福祉士国家試験に合格することを心より願っています。
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